お電話でご予約いただき、お越しいただいたお客さまのケースです
こちらのお客さまには、本当に申し訳なく思っています
折角、時間をかけてお越しいただいたのに、十分な笑顔になっていただけませんでした
お店に入ってこられて、すぐに“アッ、大きい!”とわかりました
足のサイズに靴が合っていません
履き口全部に、明らかに隙間が見えます
お話を伺うと、かかとが抜けるので、何とかできないか、とのご要望です
足を計測させていただくと、足のサイズは、22.0
靴のサイズも、22
問題ありません。
ウィズ(足囲)も計測D、靴の表示もD
問題なし
さて、大きく見えた原因は??
二つの原因がありました
一つはかかとでした
かかとが小さく、細い足をされています
そのため、かかとの押さえが効いていません
二つ目はハイアーチです
鏡で映っている足を撮影したので、右足に見えますが左足です
足が接地している場所が前後に分かれています
しかも、接地していない指がある
親指の接地の仕方に偏りもある
左に見えますが、鏡に映っているので右足です
こちらの足は綺麗な土踏まずです
しかし、少し開帳足ぎみ
指の付け根にタコが見えます
左右のバランスが崩れた足裏です
かかとが小さいことでホールドができず、足裏のホールドもないため、靴の中で足が大きく前滑りして、周辺にすき間ができていたと考えられます
さて、残念なのは、このかかとの抜けに対して、販売店が対策をした、と言っていたことです
靴を見る限り、かかとの抜けに対する対策が、何か行われているようには見えませんでした
サイズがぴったりなので、つま先に半敷きを入れて、上に持ち上げるわけにもいきません
それでは指先が靴に圧迫されて、すぐに痛くなってしまいます
東京の老舗靴店のテナント店だそうです
以前ご紹介した、ちょっと信じられない実例 と同じ対応です
こんな事をしているから、女性の靴に対する不満がたまり、足が壊れて行くんだと思います
売れれば良い、そんな刹那的商売、目先の売り上げに目をくらませた商売が、老舗といわれるお店で行われていることに、悲しく、恥ずかしくなってしまいます
ですから、何とかして、お客さまには、笑顔になってお帰りいただきたかった
色々なパットを組み合わせて、かかとの抜けを解消しようとしましたが、残念ながらできませんでした。
こちらを対策すると、こちらに問題が出る
それを解消しようとしても、かかとの抜けは変わらない
悪循環のループです
本当申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、正直に、「この靴ではこれ以上の対策は、お金をかけても、無駄になる」、と申し上げました
本当に申し訳なくて、何とかしたいと考え、いろいろ試したのですが、この靴ではお金をいただくだけの効果を、だせないと判断しました
ただし、ハイアーチと、軽く始まっている外反母趾、内反小趾の対策が、必要なことは間違いありません
土踏まずに透明なジェル状のパットを入れることをお勧めすることしかできませんでした
ブランド名はスプレーで消してあります
ジェルであるため、前滑りは抑えが効きます
前に突っ込んでの足先のトラブルと、ハイアーチによる土踏まずの疲れを、解消するには有効な手です
しかし、指の付け根のタコに対する対策が、靴がきつくなってしまうために打てませんでした
足の形と靴のデザイン
足の特徴と、靴の特徴
この相性が悪い組み合わせの場合、中敷調整でもどうしても埋めきれない、限界があることを改めて確認しました
この靴は、あなたには合いません!!
と言い切ることもサービスの一つだと決めていました
今回は、まさにそのケースでした
しかし、遠くから、買ったばかりの靴を何とかしたい、という思いで、お越しいただいたお客さまのお気持ちを考えると、何とかできないかと、思ったのですが・・・・
お客さまには、足の特徴、それを解消する、手段、靴の選び方、よい靴の見分け方、などをお話しすることで、せめて次の靴選びを失敗しないようにしていただきたい、その参考になれば、と思い、お話しさせていただくことしかできませんでした
おススメした、6センチヒールの靴をお持ちいただける日が来て欲しいと、祈るような思いで、お見送りしました